秋の風物詩として親しまれている彼岸花。その真っ赤な花は、見る人を惹きつける力があります。
しかし、彼岸花には、魅力だけでなく、危険性もあることをご存知でしょうか?
本記事では、彼岸花の特徴や魅力、危険性についてご紹介します。
彼岸花の本当の姿を知ることで、彼岸花への理解が深まるはずです。
彼岸花の特徴、開花時期
項目 | 分類 | 詳細 |
---|---|---|
科名 | キョウチクトウ科 | キョウチクトウ科には、アサガオ、ツルボなどの植物が属する。 |
属名 | ヒガンバナ属 | シロバナヒガンバナやイチリンソウなど、さまざまな種類のヒガンバナがある。 |
学名 | Lycoris radiata | 学名は、ギリシャ語で「光る花」という意味の「Lycoris」と、ラテン語で「放射状の」という意味の「radiata」からきている。 |
原産地 | 中国 | 中国の長江流域が原産地。 |
分布 | 日本、東アジア、東南アジア | 日本では、本州から九州まで広く分布している。 |
形態 | 多年草 | 同じ場所で何年も生きる植物。 |
根 | 球根 | 球根の中に栄養を蓄えて、冬を越す。 |
茎 | 高さ30~50cm | 茎は真っ直ぐに伸びて、高さ30~50cmになる。 |
葉 | 線形、長さ20~30cm | 葉は細長くて、長さ20~30cmになる。 |
花 | 花径5~10cm、6弁花 | 花は直径5~10cmで、6枚の花びらがある。 |
花色 | 赤色 | 花色は赤色が一般的である。 |
花期 | 9月~10月 | 9月~10月に咲く。 |
果実 | 袋果 | 果実は袋状になっていて、種子がたくさん入っている。 |
種子 | 多数 | 種子は多数できる。 |
毒性 | 根に強い毒性 | 根に強い毒性があるので、誤食しないように注意する。 |
ヒガンバナの危険性、毒性
ヒガンバナの根には、強い毒性があります。
ヒガンバナの毒の主成分は、リコリン(lycorine)というアルカロイドです。
リコリンは、中枢神経系や消化器系に作用し、下痢や嘔吐、頭痛、意識障害などの症状を引き起こす可能性があります。
ヒガンバナの毒性は、体重1kgあたり0.1~0.3mgで症状が現れると言われています。
体重60キロの成人であれば6mg~18mgのため、少量の誤食でも症状が現れる可能性があります。
また、子供やペットは大人よりも体重が軽いので、より注意が必要です。
ヒガンバナの根の毒性は、加熱しても分解されません。
生のまま食べるのはもちろん、料理に使うことも絶対に避けてください。
ヒガンバナの危険性については、以下の点に注意しましょう。
- ヒガンバナの根は、絶対に口に入れないようにしましょう。
- 子供やペットがヒガンバナの根に触れないように注意しましょう。
- ヒガンバナの根を切断した際に出る汁は、皮膚に付かないように注意しましょう。
ヒガンバナは、秋の風物詩として親しまれている美しい花ですが、その根には強い毒性があります。ヒガンバナの危険性をしっかりと理解して、安全に楽しむようにしましょう。
ヒガンバナの誤食による症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
ヒガンバナの花言葉
花言葉 | 由来 |
---|---|
悲しき思い出 | 墓地によく植えられることから、故人を偲ぶ花としてのイメージから |
あきらめ | 墓地によく植えられることから、死を受け入れるというイメージから |
独立 | 球根で冬を越すため、自力で生きていくイメージから |
情熱 | 真っ赤な花色の情熱的なイメージから |
ヒガンバナの別名
別名 | 由来 |
---|---|
曼珠沙華(まんじゅしゃげ) | サンスクリット語で「天上の花」を意味する「マンジュシャカ」が由来。 |
天蓋花(てんがいばな) | 仏具の天蓋に似ていることから。 |
リコリス | 学名の「Lycoris radiata」から。 |
葉見ず花見ず | 花と葉が咲く時期が違うことから。 |
死人花(しびとばな) | 墓地や湿地などに多く生えることから。 |
地獄花(じごくばな) | 死や地獄を連想させることから。 |
毒花(どくばな) | 根や葉に毒があることから。 |
痺れ花(しびればな) | 根や葉に毒があり、触ると痺れることから。 |
幽霊花(ゆうれいばな) | 夜になると花が光ると言われていたことから。 |
剃刀花(かみそりばな) | 葉が剃刀のように尖っていることから。 |
狐花(きつねばな) | 花びらの形が狐の尾に似ていることから。 |
雷花(かみなりばな) | 花が開くときに雷が鳴ると言われていたことから。 |
ヒガンバナの名所
日本には、全国各地にヒガンバナの名所が点在しています。その中でも、特に有名な3つの名所を紹介します。
巾着田キンチャクダ(埼玉県)
巾着田は、埼玉県秩父郡長瀞町にある、高麗川に囲まれた約5.5haの湿原です。
秋になると、約500万本もの彼岸花が咲き誇り、日本一の群生地として知られています。

小出川コイデガワ(神奈川県)
小出川は、神奈川県南部を流れる川です。
川沿いに約3kmにわたって彼岸花が咲き、のどかな田園風景とマッチした様子が魅力です。

コメント